死亡一時金と遺族基礎年金、両方もらえる? 令和7年改正・死亡時期別の受取り方を徹底解説

目次

はじめに

令和7年(2025年)の年金制度改正により、令和10年(2028年)4月から、これまで遺族基礎年金の支給が停止されていた子どもが、遺族基礎年金を受け取れるようになります。

この改正は子育て家庭にとって大きな前進ですが、同時に死亡一時金との関係も変わることになります。

亡くなった時期によって、死亡一時金と遺族基礎年金の受け取り方や請求できる内容が異なります。

この記事では、死亡一時金と遺族基礎年金の関係性についてわかりやすく以下の3つの期間に分けて解説していきます。

  • ① 令和8年3月31日以前に亡くなった場合
  • ② 令和8年4月1日〜令和10年3月31日に亡くなった場合
  • ③ 令和10年4月1日以降に亡くなった場合

「自分のケースはどれにあたるのか」を確認しながら読み進めてください。

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注意が必要!——死亡一時金と遺族基礎年金の関係

死亡一時金とは

死亡一時金とは、国民年金の保険料を一定期間納めた方が亡くなったとき、遺族に支給される一時金です。

受け取ることができる遺族の順番は以下のとおりです。

配偶者 → 子 → 父母 → 孫 → 祖父母 → 兄弟姉妹

ただし、以下の場合は受け取ることができません。

  • 死亡した方が老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取っていた場合
  • 遺族基礎年金を受け取ることができる方がいる場合

また、死亡日の翌日から2年以内に請求しないと権利が消滅しますので注意が必要です。

基本パターン:子の父または母が死亡一時金を受け取る場合

現行の制度では、子と生計を同じくする父母が所得超過により遺族基礎年金の受給権がない場合、子は遺族基礎年金の受給権は発生しますが実質的に受取ることができません。
この場合、父母に死亡一時金が支給されます。

しかし、法改正により子に遺族基礎年金が支給されるため、死亡一時金を支給がありません。

では、すでに死亡一時金をもらった人が遺族基礎年金をもらえないのか?という問題が生じるため、死亡日に応じて、遺族基礎年金と死亡一時金との関係が次のとおり整理されました。

① 令和8年3月31日以前に亡くなった場合

子と生計を同じくする父または母が死亡一時金を受け取っていても、令和10年4月以降、子は遺族基礎年金を受け取ることができます。

→ 死亡一時金と遺族基礎年金、両方受け取れます。

② 令和8年4月1日〜令和10年3月31日に亡くなった場合

子と生計を同じくする父または母が死亡一時金を受け取った場合、法改正後(令和10年4月以降)も子の遺族基礎年金は支給停止が継続されます。

→ 死亡一時金を受け取ると、遺族基礎年金は受け取れません。

ただし、生計を同じくしていた父または母と生計を同じくしなくなったとき(死亡・別居などにより生計同一でなくなった場合)は、その時点から子は遺族基礎年金を受け取ることができるようになります。

③ 令和10年4月1日以降に亡くなった場合

現行どおり、遺族基礎年金が支給される場合、死亡一時金は支給されません。

遺族基礎年金と死亡一時金どちらを選ぶべき?有利・不利の判断ポイント

令和8年4月1日から令和10年3月31日までの死亡は、令和10年4月から受け取れる遺族基礎年金と死亡一時金を受取るか判断しなければならない場合があります。

「遺族基礎年金の方が良い」とは限りません。

死亡一時金の方が有利になる場合もあります。

  • 令和10年3月以前に、子が年齢到達により遺族基礎年金の受給権を失う場合
  • 遺族基礎年金の総支給額より死亡一時金の額が多い場合

また、子が障害の状態にあるかどうかによっても判断が変わります。
子が障害の状態にある場合、子が20歳になるまで受けとることができるためです。

ととさん

どちらが有利かは個別の状況によりますので、年金事務所への相談をおすすめします。

例外パターン:後妻など「子の父母以外」が死亡一時金を受け取る場合

離婚後に元夫が再婚しており、子は元妻に引き取られているようなケースでは、後妻(子の父母ではない)が死亡一時金を受け取る場合があります。
この場合はルールが異なります。

① 令和10年3月31日以前に亡くなった場合

後妻が死亡一時金を受け取れる

  • 令和10年3月分まで:子の遺族基礎年金は支給停止
  • 令和10年4月分から:子は遺族基礎年金を受け取れる

→ 後妻の死亡一時金と子の遺族基礎年金、両方受け取れます。

② 令和10年4月1日以降に亡くなった場合

  • 後妻:死亡一時金を受け取れる
  • 子:遺族基礎年金を受け取れる

→ こちらも両方受け取れます。

おわりに:3つの期間のポイントまとめ

最後に、死亡時期ごとのポイントを整理します。

① 令和8年3月31日以前に亡くなった場合
 ✔父または母が死亡一時金を受け取っていても、令和10年4月以降に子は遺族基礎年金を受け取ることができます。
 ✔死亡一時金と遺族基礎年金の両方を受け取ることができます。

② 令和8年4月1日〜令和10年3月31日に亡くなった場合
 ✔父または母が死亡一時金を受け取った場合、法改正後も子の遺族基礎年金は支給停止が継続されます。
 ✔どちらか一方のみの受け取りとなるため、有利な方を慎重に選ぶ必要があります。
 ✔ ただし、その後に生計を同じくする父または母と生計を同じくしなくなったときは、遺族基礎年金を受け取ることができるようになります。

③ 令和10年4月1日以降に亡くなった場合
子が遺族基礎年金を受け取れる場合、死亡一時金はそもそも支給されません。遺族基礎年金が優先される制度となります。

どの期間においても共通して注意が必要なのが請求期限です。

給付の種類請求期限
遺族基礎年金死亡日の翌日から5年
死亡一時金死亡日の翌日から2年

特に死亡一時金は2年を過ぎると請求できなくなります。
大切な家族を亡くした直後は手続きに気が回らないこともありますが、この期限だけは忘れずに確認してください。

「自分のケースはどれにあたるのか」「死亡一時金と遺族基礎年金のどちらが有利なのか」と迷う方は、早めに年金事務所へご相談されることをおすすめします。

本記事は厚生労働省および日本年金機構の遺族年金ガイド等、公開されている資料をもとに、令和7年時点の法令に基づいて作成しています。今後の政令・省令等により詳細が変わる場合があります。最新情報は必ず年金事務所または日本年金機構にてご確認ください。

参考資料:厚生労働省HP日本年金機構HP

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