在職停止した老齢厚生年金はあとからもらえるか？

2023年11月11日2023年11月28日

在職老齢年金制度により支給停止された老齢厚生年金はあとからもらえるか？

結論：もらえません

厚生年金に加入しながら、老齢厚生年金を受け取っている場合、給与の総支給額（賞与含む）と年金受取り額（税金控除前の金額）が４８万円を超えると超えた２分の１が、老齢厚生年金から支給停止されます。

詳細については⇩⇩下記ページを参照ください。

トトさん

「支給停止」となっていますが、受け取る方からすると実際には「減額」です。
減額されたものは、あとから支払われるということはありません。

具体例を見てみましょう

🚶🚶🚶７０歳まで年金を受け取らずに働いていた太郎。７０歳で退職したため、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取る手続きに年金事務所へ🚶🚶🚶

太郎

７０歳から年金を受け取ることを楽しみにしてきました。
受け取り手続きを教えてください。

職員

今からのお手続きですと、繰り下げして増額された年金を未来に向かってう受け取る方法と、６５歳に遡って受け取る２通りの方法があります。

繰り下げ請求とは？

本来６５歳から受け取ることができることができる老齢厚生年金と老齢基礎年金を６６歳以降に請求すると、１ヶ月あたり０.７％増加した年金を、生涯受け取ることができます。

繰り下げた期間によって年金額が増額され、その増額率は一生変わりません。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げすることができます。

詳しくは日本年金機構HP⇩⇩の繰り下げ制度のページを参照ください。

６５歳に遡ってもらいます。一時金で５年分をもらうのを楽しみにしていたんです。
まとめてもらうといくらくらいになりますか？

太郎様の年金額はおよそ次のとおりです。

太郎の年金額

老齢基礎年金

７０万円／年✖️５年分＝３５０万円

老齢厚生年金

　報酬比例部分　０万円✖️５年分＝０円

　差額加算　　４万円✖️５年分＝２０万円

　配偶者加給金（妻現在５８歳）＝０円

合計３７０万円

なんじゃこりゃ。
老齢厚生年金はほとんどもらえんじゃないですか。
もう退職したから、もらえんとですか？

退職された後の分は、受け取ることができます。
しかし、65歳以降の老齢厚生年金のうち、報酬比例部分は在職老齢年金停止に伴い全額支給停止となっています。このため、停止した部分は支給されません。

支給停止ってことは、退職したらその分をさかのぼってもらえるんでしょ？

違います。
停止とは別の表現をすれば、減額です。停止されている部分は永久にもらえません。

そして、老齢厚生年金のうち報酬比例部分が額停止のため、加給年金についても加算されません。
退職された後、報酬比例部分が支払われると加給年金もプラスしても受け取っていただけます。

そんな、、、。
一括でたくさんもらえると思って楽しみにしていたのに、、、。

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