【保存版】障害年金はいつまで請求できる?ー65歳の壁・請求の落とし穴をわかりやすく解説

障害年金は、公的年金の中でも特に制度が複雑で、誤解されやすい制度です。

なかでもあまり知られていない
「障害年金には請求できる年齢に明確な期限がある」
という点です。

「障害が重くなったら、そのとき請求すればよい」
「必要になったらいつでももらえる」
と考えている方は少なくありません。

しかし実際には、

  • 初診日がいつか
  • どの制度(国民年金・厚生年金)に加入していたか
  • 請求時点の年齢
    これらによって受給できるかどうかが大きく分かれます。

さらに、遡って請求できる「認定日請求」にも多くの誤解があり、本来受け取れるはずの障害年金を
“知らずに逃してしまうケース” も珍しくありません。

この記事では、障害年金の請求できる年齢の制限と制度の本質 を、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。

用語>
初診日=初めて病院を受診した日
障害認定日=初診日から1年6ヶ月経過した日
 (例外あり。1年6ヶ月より前に症状が固定した場合はその日)

目次

結論:障害年金の請求には明確な「期限」がある

障害年金の主な請求方法は2つ。

次のような特徴があります。

① 認定日請求

  • 初診日から1年6ヶ月(=障害認定日)の時点の症状で請求
    (障害認定日については1年6か月前になる特例あり)
  • 遡って請求可能
  • 障害認定日に障害等級に該当していれば何歳からでも請求可能
  • 過去に向かって請求可能
  • ただし 時効は5年
    遡っても5年分しかもらえない

② 事後重症請求

  • 認定日時点では症状が軽かった
    or 診断書が揃わなかった場合に請求日時点の症状(現在の症状)で請求
  • 未来に向かって請求
    (過去の分は受け取れない)
  • 請求できるのは65歳まで

この原則が
障害年金の「請求期限」を決める
ポイントとなります。

認定日請求の「勘違いされやすい 落とし穴」

認定日請求は遡って請求できるため、年齢制限はありません。

しかし、落とし穴があります。

● 65歳以降に認定日請求する場合
 ⇒ 「認定日時点で障害等級に該当している」ことが絶対条件

具体例

たとえば、長年 糖尿病で治療していた2つのケースをみていきます。

このケースの場合、障害年金のを受け取れません😢

このケースでは、65歳までの事後重症請求なら障害年金が受け取れます✨️

「障害年金はいつでも障害の状態になればもらえる」

と思われがちですが、決してそうではありません。

年齢による制限があるので、持病がある方は早めに年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。

「遡って請求できる=全部もらえる」ではない

障害年金には 「時効」 があります。

時効は5年。

つまり、認定日請求で遡って障害に該当すると認められても、

→ 受け取れるのは最大「5年分」だけ

例)
初診日:48歳6ヶ月
障害認定日:50歳

初診日によって障害年金の請求期限が決まる

ここまで、障害年金の請求方法による請求期限について説明してきました。

ここからは、請求する障害年金の種類による請求期限について説明していきます。

障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金の2種類があります。

初診日がいつで・どの制度に加入していたかで請求できる障害年金の種類が決まります。

● 障害基礎年金(1級・2級)

初診日が

  • 国民年金加入期間
  • 20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間

にあるとき障害基礎年金の対象となります。

65歳以降の初診日は対象外

● 障害厚生年金(1〜3級・障害手当金)

初診日が厚生年金加入中にあるときに障害厚生年金の対象となります。

厚生年金は70歳まで加入対象となるため、
実質70歳までに初診日がある病気が対象となります。

ただし、厚生年金に加入しているからといって安心はできません。

65歳以降の厚生年金加入中の初診日は特殊ルールがあります。

65〜70歳に初診日がある場合は、障害等級1・2級に該当しても、障害基礎年金部分の支給がないからです。(上乗せ部分だけ)

また、老齢年金と一緒に受け取ることができず、老齢年金と障害年金のいずれか1つを選んで受け取ることになります。

障害厚生年金=万能ではありませんので注意が必要です‼️

老後の病気・ケガには障害年金は効かない

年金制度は、

という仕組みになっています。

これは年金制度そのものが

✅️ 障害年金=現役時代の保障
✅️ 老齢年金=老後の保障


と位置づけているためです。

まとめ

障害年金には「いつでも請求できる」という誤解が多くありますが、制度には明確な「請求期限」があります。

✅️ 事後重症請求は65歳まで
  高齢になってから症状が重くなっても、障害年金を請求できなくなります。

✅️ 認定日請求は年齢制限なし
  65歳以降に請求する場合は、障害認定日で障害等級に該当することが必須

  65歳以降の症状が重くなった「今の状態」では障害年金は支給されません。

✅️ 年金の時効は5年
  10年遡って請求し、障害等級に該当しても、実際に受け取れるのは5年分。

✅️ 国民年金加入中の初診日
  60歳から65歳までの日本国内に住所がある場合の初診日の場合
 → 障害基礎年金 請求可能。
   65歳以降の初診日の場合、障害基礎年金の請求不可

✅️ 厚生年金加入中の初診日の場合
 → 初診日が70歳までの病気が対象。
   65歳から70歳までに初診日がある場合は、
   障害等級1・2級でも上乗せ部分のみ支給され、
   老齢基礎年金・老齢厚生年金と一緒に受取り不可。

✅️ 障害年金は老後に発症する病気に効かない
   障害年金=現役世代の保障
   老齢年金=老後の保障

65歳以降の発症や症状悪化には、障害年金が届かない場合があることを知っておくことが大切です。

おわりに

障害年金の制度は複雑で、「気づいたときには手遅れ」というケースが多々あります。

しかし逆に言えば、
制度のルールを“知っているだけで”救われる人が確実にいます。

障害年金は、
“障害状態になったとき”に決まる制度ではありません。

もっと前の、
初診日のタイミングで運命が決まる制度 です。

この記事を読んで

  • 持病のある方
  • 現在治療中の方
  • 今後症状が悪化する可能性がある方
  • 慢性疾患がある方

このような方が少しでも
「早めに確認しておこう」
そう思っていただけたら幸いです。

障害年金は、最後に頼る制度ではなく、早く知れば知るほど守ってくれる制度 です。

ご自身やご家族の未来を守るためにも、

  • 初診日の確認
  • 加入制度の確認
  • 今後の生活設計

ぜひ一度見直してみてください。

必要であれば、年金事務所や専門の社会保険労務士に相談することも安心につながると思います。

あなたや大切な人が
“知らなかったことで損をしないように”。

この記事が、その小さな一歩になればうれしく思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

⭐️⭐️今回の記事がよりわかりやすくなるよう、Q&A形式でまとめた記事を掲載しています。↓↓
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