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繰下げの落とし穴2〜遺族年金〜

目次

遺族年金の受給権が発生した場合、繰下げ請求はできない場合がある

老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰下げ待機中の琥太郎(67歳)。

妻が亡くなったため、未支給年金の手続きを行うために年金事務所へ

🚶🚶🚶年金事務所にて🚶🚶🚶

職員

琥太郎さんは、老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げ待機中の途中ですが、今回奥様を亡くされており、奥様との間に生計維持関係が認められますので、今後老齢基礎年金年金と老齢厚生年金の繰り下げはできません
老齢基礎年金と老齢厚生年金の請求手続きをお願いします。

琥太郎

老齢基礎年金と老齢厚生年金は繰下げしたいのですが、、、。

66歳以降の方が遺族年金の受給権が発生した場合、配偶者の方の死亡日までの繰下げをするか、65歳に遡って老齢年金をもらうかのいずれかの受け取り方法を請求することとなります。

66歳までに遺族年金の受給権が発生した場合、65歳から老齢厚生年金・老齢基礎年金の請求手続きを行わなければなりません。

66歳以降に遺族年金の受給権が発生した場合、遺族年金の受給権が発生した日までの繰下げは可能だが、遺族年金の受給権が発生した日以降の繰下げはできない。

生計維持関係があると言われても、私の方が妻よりも断然収入が高く、私が妻を健康保険や税金の扶養に入れている状態ですから、妻が私を生計維持しているとはいえないのではないでしょうか

年金で「生計維持関係がある」とは次の場合を言います。

生計維持関係があるとは?

「生計を維持されている」とは、原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。

1)生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)

2)収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)です。

生計維持関係については⇩⇩(日本年金機構のHP)こちらを参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/sagyo/20160824.html

「生計維持・生計同一関係等に係る認定基準及びその取扱いについて」平成23年3月23日 年金発0323第1号、改正平成27年9月30日 年発0930第11号に規定されています。⇩⇩⇩

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7210&dataType=1&pageNo=1

確かに、私は妻と住民票は同一世帯ですし、所得も655万円もありません。
ということは、生計維持関係にあると言うことですか?

そのようになります。

では、遺族年金はいくらもらえるんですか?

琥太郎の年金額

65歳時点

老齢基礎年金=80万円

老齢厚生年金=70万円

合計150万円/年

67歳時点で繰下げした場合

0.007✖️24月=0.168

150万円✖️1.168=1,752,000円/年

妻の遺族厚生年金

老齢厚生年金40万円

老齢基礎年金70万円

老齢厚生年金40万円✖️3/4=30万円/年

遺族厚生年金は30万円/年ですが、65歳以降の族厚生年金は、老齢厚生年金を差し引いて残りがあれば支払うという仕組みです。
琥太郎さんは、実質0円です。

じゃあ、遺族年金が受け取れないから繰り下げしてもかまわんやろ?

受け取る受け取らないは別として、受給権がある時は、今後、繰下げはできなくなるんです。
実質的に受け取れなくても、繰り下げはできないんです。

琥太郎様は、
65歳からの年金を一括して請求(300万)し、今後150万円/年を受け取っていただくか、
遺族年金の受給権が発生する67歳まで繰下げた約175万円/年を今後もらうか
のいずれかの受け取りとなります。

そんな🙈
貰えるんやったらわかるけど、もらえんのに納得いかんわ。
経済的に援助しとったんはわしやからさ、生計維持があるなんて言われてもなぁ、、
なんか理不尽やなぁ

繰下げ制度についての日本年金機構のHPは次のとおり

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html#cms02

1)65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの間に、障害給付や遺族給付を受け取る権利があるときは、繰下げ受給の申出ができません

 ただし、「障害基礎年金」または「旧国民年金法による障害年金」のみ受け取る権利のある方は、老齢厚生年金の繰下げ受給の申出ができます。

2)66歳に達した日以後の繰下げ待機期間中に、他の公的年金の受給権(配偶者が死亡して遺族年金が発生した場合など)を得た場合には、その時点で増額率が固定され、年金の請求の手続きを遅らせても増額率は増えません。このとき、増額された年金は、他の年金が発生した月の翌月分から受け取ることができます。

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