目次
ことばが みつからない
余命半年の上司から
「あと仕事に出てこられるのも数ヶ月かな」
と言われる。
「痛みが酷くて、痛み止めの薬(モルヒネ)を飲みだすと、もう意識が朦朧としだすから、もうそんなに長くないかな。仕事にこられるのも。」
淡々とした表情で、
淡々としたことばで事実を伝える上司。
私は、
「・・・・そうですか。」
としか言えなかった。
「そんなに、悲観しないでください。」
「誰よりも元気そうに見えますよ」
とかいう言葉を言えばよかったのだろうか。
しかし、そのときは頭が真っ白になってしまい、
正直なんというのが正解かわからず、
いつも「そうですか」としか言えない。
気の利いた一言も
気遣いのことばも
何一つその場で 全く思いつかない。
何を行ったとしても、きっと慰めにもならないだろうとは思う。
でも、何か本人の気持ちを温かくできることばひとつかけられないのか。
そんな自分に 腹が立つし
情けなくも思う。
正解などないのだろうけれど、
なんて言えば、良いのだろうか。
どうせ、健康な自分には
病気の人の気持はわからない。
あと僅かな時間しか残されてないと言われた人の気持など
想像することしかもできない。
どれくらいの苦しみの中で
今 この瞬間をいきているのかなんて
全く 思いもよばない。
偽善にしかならないようなことばを
かけて良いものかもわからない。
ただひとつ想うことは、
少しでも元気でいてほしい。
私達と一緒に働くことで、
私達とくだらないお喋りをすることで
少しでも痛みを忘れられるのなら
嬉しい。

コメント