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亡くなった人の両親vs協議離婚中の本妻

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両親が受け取る場合の遺族年金と審査請求について

協議離婚中であってもそうでなくとも、亡くなった人と本妻との間に生計維持関係がないと判断された場合は、本妻は遺族年金を受け取る権利が発生しません。この場合、両親が受け取ることができることができる場合があります。

生計維持関係については⇩⇩(日本年金機構のHP)こちらを参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/sagyo/20160824.html

「生計維持・生計同一関係等に係る認定基準及びその取扱いについて」平成23年3月23日 年金発0323第1号、改正平成27年9月30日 年発0930第11号に規定されています。⇩⇩⇩

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb7210&dataType=1&pageNo=1

仁義 子太郎 昭和38年生まれ 厚生年金加入中の死亡した場合、両親が遺族年金の請求と審査請求について検討してみましょう(遺族年金の納付要件を満たしているものと仮定)

本妻と

わしはもう80歳も過ぎて長生きできた。しかし、まさか自分より先に息子が死んでしまうとは思ってもいなかった。健康にはあれだけ気をつけるように言って来たのに、都会で働き過ぎて心に風邪をひいてしまって、、、。
去年地元に帰って来て、療養していたけど自分で自分の未来を断つなんて、、、。

私たちはあの子の何の力にもなれんかったんじゃろか。親より先に逝くなんて、、、。
それでも、最後1年近く一緒に過ごせて幸せやったんや。

そうじゃな。あやつのためにも、わしらも頑張らんといけん。ちょっと手続きの件で相談に行ってくる。

🚶🚶🚶年金事務所へ🚶🚶🚶

職員

子太郎様は大学卒業してから、去年帰郷されるまで会社にお勤めされており、遺族年金の納付要件を満たしております。
遺族厚生年金は子太郎様が亡くなれた当時、生計維持関係にある配偶者、子、父母、孫、祖父母が受け取れる方となっています。
遺族基礎年金は子のある配偶者、子が受け取れます。

お父様・お母様以外に先順位の方(子太郎の配偶者、子)はおられますか。

遺族年金の制度については日本年金機構のHP⇩⇩⇩を参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/20150401-03.html

戸籍上に妻はおりますが、協議離婚中で、本人同士の縁は切れていると聞いています。子はもう30歳以上のもんが二人おります。

そうですか。妻に遺族年金の受給権があると認められた場合、両親は遺族年金を請求する権利がありません。もし、先順位である妻と子太郎様との間に生計維持関係が認められると、後順位者が受け取った遺族年金は返納しなければならなくなりますが、お手続きされますか。

最後、子太郎の面倒をみえていたのはわしら両親です。葬儀の喪主も私です。遺族年金の手続きをお願いします。でも、わしは年金がそこそこあるが、妻は国民年金のみで年金額が少ないので妻だけ請求できますか


お父様とお母様の二人が子太郎さんと生計維持関係にある場合、子太郎さんの遺族年金の請求者はお父様とお母様2人行う必要があります

子太郎さんの死亡日の前日において、子太郎様と同じ住民票世帯にご両親がいる場合、子太郎さんとご両親が生計維持関係があるとみられます
そのため、お二人が請求していただくこととなり、遺族厚生年金の額を二分の一し、ご両親のそれぞれに支払うということになります。

しかし、お父様がご自身の老齢厚生年金が遺族厚生年金よりも高い場合は、お父様は実質的に受け取れません。お母様がいま受け取っている年金が老齢基礎年金のみの受け取りでしたら、遺族厚生年金の二分の一の金額を受け取れます。

収入要件に該当しない場合は、遺族年金を受け取れることができません。収入要件とは前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。

そして、二分の一された遺族年金から、自身の老齢厚生年金を差し引き、差額があれば遺族年金として受け取るということになります。

65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合

平成19年4月1日から、65歳以上で遺族厚生年金と老齢厚生年金を受ける権利がある方は、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。(下図でいうと、老齢基礎年金➕老齢高厚生年金➕黄緑の遺族厚生年金が受け取れます)

わしの遺族年金がもらえなくても、妻の遺族年金は増えないのですか?

お父様が遺族厚生年金全額支給停止でも、お母様の遺族厚生年金は増えません。
もし、お父様が亡くなられたら、お母様の遺族厚生年金の金額は二分の一ではなくなり、全額支給されます。
しかし、今度は、子太郎さんの遺族厚生年金と、お父様が亡くなったことによって受け取れる遺族厚生年金と、いずれか高い方を選択してお母様が受け取っていただくことになります。

異なる二人の人から遺族年金を受け取ることができる場合は、遺族年金を両方もらうことができず、いずれか一つを選択して受け取ります。

両親は遺族厚生年金の手続きを済ませ、その後結果通知が両親へ届く。

お父さん、なんか年金事務所から結果が届いとるが。
不支給ってなっとるが。

なんじゃと?
先順位者がいるため、不支給じゃと?もしかして、あの嫁もどきのせいか?
納得いかんばい!!

あの嫁ときたら、葬式にも顔出さんし、その後の法要にも一回も来ていないのよ。こんばっかりか、香典も包まんし、亡くなった後も一切連絡がないのに、そもそも、子太郎が死んだってかぎつけたんやろか。
そもそも協議離婚中やったら、離婚の意思があるんやけん、遺族年金は受け取れないんやないん

🚶🚶🚶トトさん事務所へ🚶🚶🚶

トトさん

不支給通知が届いたんですね。協議離婚中でも、亡くなった方と生計維持関係があれば戸籍上の妻は遺族年金の請求は可能だと思います。強いて言えば、結婚していなくても、生計維持関係さえあれば、別居している内縁の妻(夫)も遺族年金を請求できるんです。

ここで焦点となってくるのが、「生計維持関係があるかないか」ということでしょうね。

え!?そうなんですか?
にしても、最後看取ったのも、わしら親じゃし、去年以降は妻と音信不通な状況じゃったはずじゃが。まぁ、弁護士を通じて連絡を取りあっっていたのかもしれんが。

トトさん

詳しい状況はわかりませんが、戸籍上の妻の権利は強いんです。別居していても、子太郎さんが妻の家の光熱費や家賃、携帯代を支払っていたいりなど完全に経済的に切れている状況でなければ、難しいと聞いています。

、、、。そうですか。だとしても、最後の1年、子太郎のことを何もせんと心を病んだあいつをサポートしたのは私たちです。あの女のせいで、病気になったかもしれんと言うのに、、。これからあの女が息子のかけた年金で悠々と生活していくのが許せんのです。

年金の不支給の結果に納得ができない場合は、地方厚生局に審査請求を行うことができます。審査請求により、双方の年金請求がどちらが正当なものか、妻の遺族年金の請求決定が正しかったのか、客観的に審査してもらうことができます。

ただし、通知が届いてから3ヶ月以内に審査請求を行わなければなりませんので、気を付けてください。

そういう方法があるなんなら、ってみたいですのう。息子もその方が天国で報われるかもしれん。

審査請求とは?

日本年金機構が行った処分に不服がある場合、地方厚生局の社会保険審査官へ審査請求を行うことができます。期限は決定があったことを知った日の翌日から起算して3ヶ月以内です。詳しくは⇩⇩を参照ください。

https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/fufuku/20140709.html

審査請求をすることで、何か決定が変わるんでしょうか。
子太郎の妻の遺族年金が決定された理由がわかるんでしょうか。

もちろん、決定が変わることもありますし、変わらないこともあります
理由がどの程度説明されるかは、正直やってみないとわかりません。
もし、ご両親が納得されなければ、審査請求の手続きをされるのお薦めします。
それに、審査請求の結果に不服があれば、さらに再審査請求という道も切り開かれていきます

納得するまでやってみます。

それはそうと、息子さんが亡くなられる前に、夫婦関係を解消し、正式に離婚されていたら状況は違っていたかもしれないなと思ったりしますけどね。あくまで、仮定の話に過ぎませんが。

、、、。それは私も何度も思いました。でも、息子の心が病気で手続きにとても苦しんでいるようでした。離婚手続きを早く終えるようにとあまり強く言えませんでした。

今となっては、弁護士さんに無理矢理にでも生きている間に離婚させといてもらえばよかったのかと後悔しとります。

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