年金セミナー 「20歳前の傷病による障害基礎年金」とは?

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20歳前の傷病による障害基礎年金とは?

この記事は、以前記事としてあげたものをセミナーとして再編集したものです。

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障害年金というと、大人になってかかった病気に対してもらえる年金というイメージもある方もいらっしゃると思います。

確かに、年金に加入し、支払・免除しているからこそ障害年金が受け取れるというイメージが強いかもしれません。

しかし、20歳前の年金に加入していない時にかかった病気でも受け取れる年金があるんです。

それが、「20歳前の傷病による障害基礎年金」です。

障害基礎年金ですので、「国民年金」の給付ということになります。

今回は、子供のときに病気にかかった、あるいは生まれつき病気だったという場合に受け取れる「20歳前の傷病による障害基礎年金」がどのような制度なのか、どのような手続きが必要かについて説明して行きたいと思います。

「20歳前の傷病による障害基礎年金」とは、3つの要件を満たす方が対象です。

まず一つ目が、障害の原因となった初診日が20歳前の年金未加入期間にあることです。

子供や学生など保険料を納める必要がない方、あるいは生まれつきの病気も含みます。

2つ目は、障害投球が1級または2級に該当することです。

3つ目は、日本国内に住所があることです。

この3つの条件に該当する方が、20歳以降に受取ることができる年金となっています。

では、障害等級1級または2級に該当するとはどのくらいの状態なのか。

年金はいくらもらえるかについて見て行きたいと思います。

いくらもらえる?

重要なポイントがあります。

障害等級は、障害者手帳や療育手帳などの等級とは一致しません。

年金独自の認定基準で認定が行われますので、障害者手帳が1級であっても、必ずしも障害年金が1級に該当するとは限られていません。

まず、障害等級1級の状態とは、他人の介助を常に必要とする程度で、ほぼ寝たきり、外出や意思疎通が難しい状態です。遷延性意識障害などがあります。

1級に該当する場合、障害基礎年金は年間約100万円受けることができます。

次に、障害等級2級の状態とは日常が著しい制限を受ける程度です。買い物・通院・食事など日常の動作に支障があり、状況によって手助けが必要な状態です。

支給制限

次は、20歳前障害による障害基礎年金は他の障害年金と違いがいくつかあります。

それは、「20歳前障害による障害基礎年金」は20歳前の年金に加入していない期間に初診日がある人が対象のため、保険料の納付要件がなくてもお受け取りできる年金です。

そのかわり、
✅所得要件による制限
✅国内居住要件
✅恩給・労災保険との調整による制限
✅矯正施設に入所した場合の支給停止

などがあります。

所得による支給制限

まず一つ目は、所得制限です。

「20歳前障害による障害基礎年金」は前年所得に応じて受け取れる年金額が変わります。

具体的には、前年の所得が4,721,000円を超える場合は、「全額支給停止」となり、年金を受取ることができません。

3,704,000円から 4,721,000円の場合は2分の一の年金額が支給停止となります。つまり、年金額が半分となります。

これは、本人の所得のみでの所得額です。もし、扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき控除額が加算されて行きます。

所得制限の金額については、税制改正があると変わってきますので、その時そのときで確認をお願いします。

対象期間は10月分から翌年の9月分です。

例えば令和7年度の所得(令和6年分の収入)は、令和7年10月分から令和8年9月分までが調整の対象となります。

そのため、20歳前の傷病による障害基礎年金を受取る場合は、毎年所得審査があると覚えていただければと思います。

居住要件等

2つ目の制限は、住民票が日本国内になければ受取ることができないということです。

また、刑務所等の矯正施設に入所した場合も受取ることができません。

同じく全額支給停止ということになります。

このような状況に該当する場合は、届書の提出が必要となりますので、ご自身で最寄りの年金事務所・お住まいの市町村役場の担当窓口にて手続きをお願いします。

労災保険との調整

3つ目は、恩給・労災保険の年金等を受給している時の調整についてです。

「労災保険(労働者災害補償年金)」は、仕事中や通勤中に発生した事故や病気に対して国が補償する制度です。

一方、「恩給」とは、かつて日本で軍人や公務員として働いた人やその遺族に対して支給されていた退職後の生活保障の制度です。

「20歳前障害による障害基礎年金」と「労災保険」・「恩給」を受け取っている場合、「20歳前障害による障害基礎年金」が減額されます。

イメージとしては、労災保険や恩給をもらっている金額分だけ障害基礎年金が減らされている感じです。

20歳前の傷病による障害基礎年金と制限についての説明は以上になります。

ここからは、申請までの流れと必要書類について説明していきたいと思います。

申請にはいくつかのステップがあり、書類の準備や内容に注意が必要です。

申請の準備

障害年金の手続きは次の順番に行います。

初診日の確認、申請時期の確認、準備書類の確認、提出から決定までの流れの確認の順番です。

障害年金の手続きで最も重要で、かつ、最初に行なっていただくことは「初診日」の確認です。

初診日とは、障害の原因となった病気や怪我で初めて医療機関を受診した日のことをいいます。

障害年金を申請する病気で初めて医療機関を受診した日が、20歳前の年金に加入していない期間があるかを確認します。

次にいつから申請できるかについてです。

20歳前障害による障害基礎年金は原則として20歳に達した日(つまり、20歳の誕生日の前日)から申請ができます。

年金の時効は5年となっております。

仮に手続きが遅れたとしても、5年分は遡ってお支払いすることは可能です。

次は申請に当たって準備していただく書類について説明していきます。

まずは診断書です。

これは障害年金用の指定様式を準備することになります。

診断書は障害の内容に応じて種類が異なり、
・精神
・肢体
・呼吸器系
・腎臓肝臓
・聴覚
・眼
などがあります。

申請するにあたり、かかりつけ医の先生に相談して作成してもらってください。

では、いつの状態の診断書を作成してもらうかというと、多くの方は20歳時点の前後3ヶ月、トータル6ヶ月の状態を記された診断書をご準備いただくことになります。

ただし、初診日が18歳6ヶ月以降の場合は1年6ヶ月後の障害認定日前後3ヶ月です。詳しくは年金事務所に確認ください。

診断書作成にあたり費用が発生しますので、病院へ作成を依頼するにあたり費用が発生しますので、病院へ作成を依頼する前に、診断書の内容等について、事前にお近くの年金事務所もしくは市町村の担当窓口で相談することをお勧めします。

次は「受診状況等証明書」です。

受診状況等証明書は、必ず提出いただく書類ではありません。

受診状況等証明書は初診日がいつかという証明書として提出いただくものです。

請求いただく傷病で初めて受診した病院と診断書を作成する病院が違う場合に準備いただきます。

ただし、20歳目前の傷病による障害基礎年金は18歳6ヶ月前までに病院にかかったことがわかれば良いとなっています。

そのため、診断書の初診日が18歳6ヶ月前の日付であれば受診状況等証明書の提出は必要ありません。

必要かどうかは、年金事務所もしくは市町村役場の担当窓口で確認をお願いします。

次に準備する書類として、「病歴・就労状況等申立書」です。

これは提出いただく方、あるいは代理の方に記入していただくものになります。

記入いただく内容は、
・発病した時から現在までの症状
・生活や仕事への影響
・通院状況
などです。

5年区切りぐらいで記入いただきます。

ただし、知的障害や発達障害で請求いただく場合は、生まれた時からの病歴や通院歴などについて記入する必要があります。

主な書類は以上ですが、これ以外にも障害者手帳や振込を希望される通帳のコピー、マイナンバーカードなどが必要となります。

これらの書類が整い、20歳になられたら、お手続きができるようになります。

住民票のある市区町村の役場または最寄りの年金事務所で手続きを行います。

請求手続きが終わった後は、日本年金機構が審査を行います。

審査には概ね3ヶ月ほどかかります。

障害年金の支給が決定されると「年金証書」が送られてきます。

そして、年金証書が送られてきてから1〜2ヶ月後にお受け取りが開始となります。

おうけとりが始まる月に「年金振込通知書」が送付されてきます。

年金振込通知書にお受け取りいただく金額などが記載されておりますので、確認をお願いします。

支給決定後

年金の支払いは、偶数つきの15日となっております。

15日が土日祝日に当たる場合は、その前の営業日に振り込まれます。

また、年金は後払いとなっております。

12月に受取る年金は、なかみとしては10月分と11月分となります。

定期的な診断書の提出

障害年金は一度申請したらずっともらえるものではありません。

中には、永久認定と言って、障害受け取ることが決定する方もいらっしゃいますが、多くの方は数年に一度、定期的に診断書を提出していただき、障害の程度を確認することとなっています。

ご提出いただくのは、「障害状態確認届」です。

障害状態確認届とは診断書とイメージしていただければよろしいかと思います。

提出する年の「誕生月の3ヶ月前」に日本年金機構から用紙が郵送されてきます。

その用紙をかかりつけの医師に作成していただき、提出します。

提出期限は、誕生月の月末となっています。

例えば、12月に生まれた方は、9月末に日本年金機構から障害状態確認届が発送され、10月から12月末日までの状態の内容をかかりつけ医に書いていただきます。

そして、12月末までに日本年金機構に提出することになります。

症状が重くなったときの手続き

障害状態確認届は定期的に提出いただく診断書になりますが、その時期とは別に、障害の状態が悪化し、今の投球よりも重い状態になったと思われる時には、「額改定請求」を行います。

額改定請求は等級を見直しの申請=年金額の増額を申請することができます。

障害基礎年金は1級と2級のみですので、障害等級2級の方が対象となります。

上位等級が認められた場合、請求した月の翌月分から改定されます。

時期によって額改定請求ができない場合がありますので、年金事務所に事前に相談することをお勧めします。

65歳以降の年金の受取り方

障害基礎年金を受け取っている方が、今後厚生年金に加入した場合、年金はどうなるのでしょうか。

年金は1人1年金となっていること、年金は2階建て部分となっていることから、年金の受け取り方が2つあります。

まず、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受け取る方法。

二つ目は、障害基礎年金と老齢厚生年金を受け取る方法です。

どちらを受け取るかは、ご自身で選択し届書を年金事務所へ提出します。

国民年金の申請免除

最後に障害基礎年金を受け取る間は、法定免除の申請をしていただきます。

法定免除を申請することで、国民年金の支払いが免除されます。

障害年金の受取りが決まった後は、市役所窓口か年金事務所国民年金課へ相談してください。

法定免除すると、国庫負担の2分の1分だけ受け取ることができます。

将来の年金のために支払いを希望する場合は、支払う意思があることを届け出る必要があります。

年金事務所に相談ください。

おわりに

障害年金の手続きは、大変なこともたくさんあると思います。

大変な手続きが終わってうけとりが決まると、ほっとします。

でも、障害年金は一度もらい始めたら終わりではなく、継続的な確認と手続きが必要だということを覚えていてください。

「20歳前障害による障害基礎年金」という制度は、障害の備えとして、とても重要な制度になると思います。

年金制度は複雑で、申請に不安を感じることもあるかもしれません。

不安があれば、早めに市町村役場や年金事務所に相談をして少しずつ準備することをお勧めします。

以上で20歳前の傷病による障害基礎年金の説明を終わらせていただきます。

本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。

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