加給年金がついて振替加算がつくパターン
加給年金は厚生年金(共済年金を含む)に20年以上加入、もしくは障害厚生年金2級以上に該当した場合で、65歳未満の配偶者及び18歳年度末まで(障害等級2級以上の場合は20歳まで)の子と生計維持関係にある場合に、加算されます。
夫(妻)が受けている老齢厚生年金や障害厚生年金に加算されている加給年金の対象者になっている妻(夫)が65歳になると、それまで夫(妻)に支給されていた加給年金が終了となります。このとき妻(夫)が老齢基礎年金を受けられる場合には、一定の基準により妻(夫)自身の老齢基礎年金の額に加算がされます。これを振替加算といいます。 振替加算を加算される対象者は昭和41年4月1日生まれまでの人です。
加給年金・振替加算は夫婦の加入記録、年齢などによっていつまでつくのか変わってきます。
たくさんのパターンがあります。
今回は、令和4年4月以降の加給年金がついて振替加算がつくパターンについてみていきましょう!
1)満了(障害・長期特例なし)✖️未満了
夫(満了) 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日=特別支給の老齢厚生年金受給権発生,
令和6年5月4日=65歳到達
妻(未満了) 昭和36年7月7日生 令和5年7月6日=特別支給の老齢厚生年金受給権発生、
令和8年7月6日=65歳到達
満了(障害・長期特例なし)の場合、65歳から加給年金が加算されます。そして配偶者が65歳になると加給年金は終了となり、未満了者に振替加算が加算されます。
2)満了(障害・長期特例なし)✖️満了
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生 令和6年5月4日=65歳到達
妻 昭和36年7月7日生 令和5年7月6日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生 令和8年7月6日=65歳到達
この夫婦の場合は、加給年金及び振替加算両方とも加算されないケースです。
3)満了(障害・長期特例なし)✖️満了
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
妻 昭和38年7月7日生 令和8年7月6日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
夫(満了)に加給年金が加算され、妻(満了)の特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生したら加給年金がなくなるケースです。
妻の老齢年金が裁定されないと、夫の加給年金は止まらず、妻が65歳になるまで加給金が支払われ続け、夫の加給年金が過払いとなります。
また、夫もしくは妻のいずれかに共済期間があると、妻の老齢年金が裁定されても自動で夫の加給年金が止まらない場合があるため、共済がある夫婦は、加給年金がついている人が230号の届出が必要となります。
4) 満了(障害・長期特例なし) × 共済満了(1号厚生年金のみでは未満了、合算満了or共済満了)
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
妻 昭和36年2月2日生 令和5年2月1日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
令和7年2月1日 共済の特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金100月、共済組合140月、国民年金納付済み期間=130月
夫に加給年金が加算され、妻の共済の特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生したら加給年金がなくなるケース。
5) 満了(1号厚生年金のみでは未満了、合算満了or共済満了、障害・長期特例なし) × 満了
夫 昭和40年3月3日生 令和12年3月2日 老齢厚生年金及び老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金120月、国民年金納付済期間等=300月
妻 昭和36年2月2日生 令和5年2月1日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
令和7年2月1日 共済の特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金100月、共済組合140月、国民年金納付済み期間=130月、障害なし
共済年金の受給権発生により合算満了となったところから加給年金が加算されます。
6) 満了(障害あり) × 未満了
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金430月、障害者特例あり
妻 昭和36年7月7日生 令和5年7月6日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
長期特例(厚生年金44年以上加入)に該当する場合も障害者特例に同じです。
また、障害者特例該当する場合は、厚生年金の加入期間(共済期間含む)が240月以上なければ、加給年金は加算されません。
厚生年金に加入すると、障害者特例・長期加入特例の定額部分及び加給年金は支給停止となるので注意!!
7) 満了(障害あり) × 満了
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金430月、障害者特例あり
妻 昭和36年7月7日生 令和5年7月6日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金250月、国民年金納付済み期間=130月
障害者特例があり、厚生年金加入記録20年以上、プラス厚生年金制度未加入の場合は特別支給の老齢厚生年金の受給権発生時から加給年金が加算されます。
しかし、配偶者が満了の場合は、配偶者の受給権発生までとなります。配偶者の請求が遅くなると加給年金が過払いとなるので注意が必要です。
8) 満了(障害あり) × 満了
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金430月、障害あり
妻 昭和38年7月7日生 令和8年7月6日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金300月、国民年金納付済み期間=130月
9) 満了(障害あり) × 満了(1号厚年のみ未満了、合算満了or共済満了)
夫 昭和34年5月5日生 令和5年5月4日特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金430月、障害あり
妻 昭和36年2月2日生 令和5年2月1日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
令和7年2月1日 共済の特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金100月、共済組合150月、国民年金納付済み期間=130月
夫に加給年金が加算され、妻が合算満了となるところ、共済の特別支給の老齢厚生年金の受給権が発生したら加給年金がなくなるケース
10) 満了(1号厚金のみ未満了、共済満了or合算満了+障害あり) × 未満了
夫(未満了) 昭和40年3月3日生 令和12年3月2日 老齢厚生年金及び老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金120月、国民年金納付済期間等=300月
妻(合算満了) 昭和36年2月2日生 令和5年2月1日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
令和7年2月1日 共済の特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金100月、共済組合150月、国民年金納付済み期間=130月、障害あり
障害者特例に該当しても、240月以上の厚生年金加入がないと加給年金が加算されません。
共済年金の受給権発生に伴い満了となり、加給年金が加算されます。
11) 満了(1号厚金のみ未満了、共済満了or合算満了、障害あり) × 未満了
夫(未満了) 昭和34年4月4日生 令和5年4月3日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金110月、国民年金納付済期間等=300月
妻 昭和36年2月2日生 令和6年2月1日 特別支給の老齢厚生年金受給権発生
令和7年2月1日 共済の特別支給の老齢厚生年金受給権発生
年金加入記録=厚生年金100月、共済組合150月、国民年金納付済み期間=130月、障害あり
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