妻が死亡したとき、夫(55歳以上)が受け取れる年金の一般例について説明したいと思います。
ここでは、遺族基礎年金および遺族厚生年金の受給要件を満たしているものとします。
遺族基礎年金および遺族厚生年金の支給要件については日本年金機構HP↓↓
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/izokunenkin/jukyu-yoken/20150424.html
を参照ください。
受け取れる遺族年金の種類について
1)夫(55歳以上)と子(18歳年度末、障害等級1・2級の20歳までの子)の場合
⇒ 夫:遺族厚生年金+遺族基礎年金
⚠️ 子も遺族厚生年金と遺族基礎年金の受給要件を満たしていますが、父と生計同一関係がある場合は、いずれも支給停止となります。
💰️ 遺族厚生年金は、妻の年金の加入状況等により金額が異なります。
遺族基礎年金=831,700+239,300
=1,071,000円/年
(令和7年度額)
2)子が18歳年度末(障害等級1・2級に該当する場合は20歳)に達するとき、夫が55歳以上60歳未満の場合
⇒ 夫:遺族厚生年金支給停止、遺族基礎年金失権
子:遺族厚生年金失権、遺族基礎年金失権
⚠️ 失権とは、年金を受け取る権利がなくなることです。
3)夫の年齢が55歳以上60歳未満で、子がいないとき
⇒ 夫:遺族厚生年金 支給停止
⚠️ 夫が60歳になると再婚していなければ、60歳から遺族厚生年金を受け取れます。請求手続きが必要です。
4) 夫の年齢が60歳から65歳未満で、子がいないとき
⇒ 夫:遺族厚生年金
⚠️ 夫が特別支給の老齢厚生年金など他の年金を受け取っている場合、遺族年金と受け取っている年金のいずれかを選択して受給することになります。
5)夫の年齢が65歳以上で、子がいるとき
⇒ 夫:遺族厚生年金+遺族厚生年金
子:遺族厚生年金支給停止、遺族厚生年金支給停止
1️⃣ 夫自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金+遺族厚生年金(差額)
2️⃣ 遺族基礎年金+遺族厚生年金
⚠️ 65歳以降の遺族厚生年金額は、自身の老齢厚生年金よりも高い場合に、遺族厚生年金から老齢厚生年金の差額を遺族年金として貰えます。
老齢基礎年金は全額支給されます。
6)夫の年齢が65歳以上で、子がいないとき
⇒ 夫:遺族厚生年金
⚠️ 夫自身の老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る権利がある場合、夫は自身の老齢基礎年金+老齢厚生年金を必ず受け取ことになります。
遺族厚生年金が老齢厚生年金よりも高い場合は、遺族厚生年金から老齢厚生年金の差額を遺族年金として貰えますが、低い場合は遺族厚生年金は実質ゼロとなります。老齢基礎年金は全額支給されます。
⚠️ 遺族年金の受給権がある場合、老齢厚生年金及び老齢基礎年金の繰下げはできないので注意。

↑↑日本年金機構HPより
まとめ
妻が死亡したときに夫が受け取れる遺族年金は、妻死亡当時の夫の年齢、子の有無によって受け取れる年金の種類と金額が変わっていきます。
さまざまなパターンがあるので、遺族年金を考えるヒントになってくれるといいなと思います。

夫が受け取れる遺族年金について、次の記事も掲載していますので、あわせて見てもらえたら嬉しいです。








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